puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

独学のすゝめ

意識的な学習は、①理論の理解→②メンタルモデルとの突合→③メンタルモデルに即した行動の矯正、という手順を踏む。セミナーへの参加等で①に取り組みこそすれ、殆どの人は他人の言葉で語られた理論を自身の思考体系に取り込む②の労を払わず、見ていて勿体ないと思う。

 

どんな理論(というほど仰々しいものではなく、いくらか体系化された考え方なことが殆どだが、一旦理論とする)もそれなりに練られているので内部に不整合を抱えていることはそんなになく、よって、批判的思考に長けていない限り、説明を聞いただけでは違和感は生まれない。が、自身のメンタルモデルと突き合わせてみると色々不整合は出る筈なので、この突合を即座にできるかがまず重要になる。

めでたく不整合が検知されると「間違っているのは自分のメンタルモデルの側か新しく取り込もうとしている理論の側か」という疑問に直面することになる訳だが、この疑問に答えるには、自分のメンタルモデルを含め、齟齬をもたらしている言葉の定義を問い直すとともに、複数の理論を比較検討することになる筈で、この労を払うことが決定的に重要だと思っている。ひとつ前の関門と比べても、こちらで挫折する人が圧倒的に多い。

 

特に、経営コンサルティングのサービスで必要とされるような抽象度の高い認知スキルを身につけようとすると、この意外と煩雑な②を集中的に実施する必要が高くなる。わざわざこんなジョブセキュリティの低い業界に望んで入ってきている人たちなので、ほとんどの人が「向上心」を自認して①には積極的だが、おそらく、ものを学び習得するというプロセスに対する理解が不足していることと、学ばなければならないことが多岐に渡りすぎていて選択と集中を妨げる口実が潤沢なことが原因で、②を疎かにしがちであると感じている。

 

そんな中でも②に取り組む一握りの人たちは、向上心というよりは潔癖症とか責任感とかなんらかの衝動故に已むに已まれず取り組んでいるように映る。「情熱は偽れるが狂気は偽れない」を実感する。