puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

続・私的な問題意識(とやりたいこと)

すべての変革が現状の否定である以上、それをやり遂げるうえで、挑戦と苦難とは避けて通れない。現状にはそれを形作る「合理」がある。その均衡を破るのは容易なことではない。

 

苦難が必然であるならば、追求すべきは、その軽減やそこからの逃避ではなく、変革から獲得できるものの方である筈だ。「どんな問題を解くのか」という問いに対して、我々はもっと真剣にならなければならない。

 

その問題の解決は社会の厚生の拡大に繋がるか。歴史の転換点に立ち会えているか。対峙する相手は、自身の稀少な人生の時間を捧げるに値するか。主観的な価値定義を以て初めて、「合理」の枠から抜け出すことが可能になる。

  • 「価格がつくものには等しくそれだけの価値がある」は誤っている。そこから導かれるのは、ノイズを多分に含んだ市場の下での記述的な営みでしかない。社会を形作る人間に求められるのは価値を定義することである。それは規範の提示という形をとる。
  • 「流行りのテーマ」は数年程度で入れ替わり、装いだけ変えてまた数年後には戻ってくる。業界の抜本改革や社会の最適化を謳う技術群がその通りに変化をもたらしたことが果たしてあっただろうか。歴史と経済性に依拠して見極める必要がある。
  • 「変革」という概念自体に肯定的な意味づけが為されるようになった結果、現実のtrade-offを直視する胆力を欠きながら、漠然と正義の側に与していたいだけの人が決して少なくない。その人の掲げる構想は本人が心から切望したものか。

 

既存事業の、そしてそれが位置する市場やValue Chain全体の、適正化と高度化とに取り組むべきだ。そうした問題解決を成し遂げることと、そうした問題解決に取り組める人たちと信頼関係を築くこと。このふたつこそが、変革に伴う苦難に見合う報酬だと考えている。