puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

メンターの行動規範

「メンタリング」は、「教える-教えられる」というある種の権力構造が容易く手に入ってしまう営みである。そうした権力性を(自分でも自覚しないうちに)好んでメンタリングに執着する人が一定数いるように思うが、自分を厳しく律しなければ、自身を含め、関わる人すべてを不幸にする。以下の3点を肝に銘じるべきと考えている。

1.自身の問題と捉える
後進の育成が役割として与えられている以上、そこで問われているのは、ジュニアの人格と技術ではなく、育成を施す側であるメンターの人格であり技術である。

2.職能及び職業倫理に依拠する
全人格的・全領域的な優劣などというものは現実に存在しえない。他方で、職能及び職業倫理の範囲においては、明確な尺度が存在し得る ※「ダイバーシティ」の錦の御旗の下で曖昧にされているが、これは多元的な価値の尊重と両立し得る。

3.そのうえで、そもそもが分不相応な使命だと心得る
メンティーの心技体は個体差が非常に大きく且つ流動的でもあるため、徹底的な最適化などできないし、また、多くの場合メンター自身も未成熟である。そもそも人を「育てる」などと軽々しく語るべきではない。
また、自律的な個人同士の営みである以上、相手の人生への干渉には敬意と恐怖を持って臨まなければならない。

「メンタリング」に対する認知が高まり、その普及が進む一方で、技術や形式ばかりが先行して規律を欠いた実践が広まるのではないかという不安を抱いている。一日も早く形式的な普及が完了し、規律にまで踏み込んだ質の面での競争へと移行することを願っている。