puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

2022-01-01から1年間の記事一覧

メンターの行動規範

「メンタリング」は、「教える-教えられる」というある種の権力構造が容易く手に入ってしまう営みである。そうした権力性を(自分でも自覚しないうちに)好んでメンタリングに執着する人が一定数いるように思うが、自分を厳しく律しなければ、自身を含め、関…

「適切な問題」の発見

以前の投稿で、「問題解決という営みは、「適切な問題」の発見も射程に入れる必要がある」と書いた。そしてその問題解決を職能として修めるのであれば、問題発見についても形式知化し、可能な限り再現性を高める努力が必要だと考えている。 たしかに「適切な…

嫌いな言葉①:「イシュー」

とある名著では、「解くことで効果が大きく、解くことができる問い」を「イシュー」と呼んで、こいつについて仮説検証をサクサク回そうぜと論じている。ここでいう「イシュー」とは、詰まるところ、「見解の統一されていない点のうち、効果と実現可能性の観…

「問題・課題・打ち手」

経営コンサルティングの仕事は、クライアントの置かれている固有文脈に根差した問題解決をサービスとして提供する。この仕事は、カスタマイゼーションの程度を高めることで得られる効用の非線形な伸びをバックボーンとしており、それゆえに、一品モノ生産の…

組織における多様性

「多様性は成長をもたらす。従って促進すべきである。」との言説をしばしば目にするが、強い違和感を覚えている。 まず、以前にも書いたが、多様な価値観や趣向や能力のバラつきは本来それ自体尊重されるべきものであって、「組織の成長をもたらすが故に重視…

独学のすゝめ

意識的な学習は、①理論の理解→②メンタルモデルとの突合→③メンタルモデルに即した行動の矯正、という手順を踏む。セミナーへの参加等で①に取り組みこそすれ、殆どの人は他人の言葉で語られた理論を自身の思考体系に取り込む②の労を払わず、見ていて勿体ないと…

経済合理性と倫理

ソフトウェアエンジニアリング業界で生まれた組織運営のプラクティスは、一定の条件を満たす組織において、道徳の実践が経済合理的でもあるということを立証した。これ自体は素晴らしいことであり、技術の進化とそれに伴う競争が加速する一方の資本主義社会…

収益モデルを用いるプロジェクト

経営コンサルティングのサービスでは、収益モデルを組んでそれをベースに議論を深めていくことが多い。このような議論では、定量化と分析の結果それ自体が重要になることもあるが、他方で、無理矢理モデル化・定量化する過程で事業の本質に対する理解の深化…

Integratorの仕事

事例を調べてもそこから抽象化したモデルを作れず、事例をそのまま提示することしかできない人がそこそこの割合でいる。事例をどれだけ積み上げても固有文脈を踏まえた提言にならないので、integratorとして機能しているとは言えず、単なる調査のオペレーシ…

出来ることと望むこと

人は自分の出来ることの範囲でしか望むことをしなくなる。一方で、自分の出来ることは望むことに制約される。そうして留まり淀み退縮する。 一度、出来ることをすべて出力しきってみて、その総体と全量を目の当たりにしてみるべきだと思う。もしそれで満足で…

"Do your homework."

「自分自身の問題解決に集中しろ」と彼は言っていた。 一見しただけでは判別は難しいかもしれないし、実際、当時の僕はいくらか取り違えて、それ故に距離をとっていたのだが、彼は決して、利己的になることも世捨て人になることも奨励してはいなかった。 そ…

分析は演繹なので

分析は演繹なので、分析の結果に「示唆深くない」と感じたときには、前提に当たる命題を追加したり洗練したりすべき。 演繹であるところの分析のゴールは、価値の高いGrounds - Warrant - Claimsのセットを発見することになる訳だが、どこから手をつけるべき…

チームマネジメントに関する個人的な課題

1on1に頼らず、一対多のチームmtg主体でどこまでチームのパフォーマンスを高く保てるかをしばらく追求してみようと思っている。 1on1では伝える相手が明確なのでメッセージを研ぎ澄まし、真摯に伝えることが出来ている(と自負している)が、一対多になると…

自ら何かを望んでその実現の為に準備を尽くすと、どれだけ心血を注ぎどこまで手を拡げたとしても自分の力の及ばない外部要因が厳然と存在するという現実にいつかどこかで直面する。 そうした現実に抗い、どこかで受け入れ、尚切望し続けることではじめて、結…