puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

アドバイザリー業の行動規範

組織という情報処理機構があまりに大きく重層的であるため傍目には曖昧になりがちだが、組織行動の一つ一つには、その裏に誰かの極めて個人的な探索・逡巡とその先に辿り着いた確信や覚悟がある。誰が意思決定したわけでもない組織行動も数多観測されるため、正確性を期すなら「あって然るべきだと信じている」というべきかもしれない。だが、少なくとも、組織に対して何らかの変革をもたらすような行動の背景には、須らく意思を持った個人が歩んできた思索の歴史がある。

 

自分の所属する組織にどうあってほしいか、同じ志を持った先人たちにどう応えていくべきか、次の世代に何を残すか、晒されるであろう批判に堪えてでも守りたいものは何か。意思決定が資源の配分変更を意味する以上、何かを捨てることは避けて通れない。何を守って何を捨てるか決めるため、意思決定を担う人間は自分の価値基準に向き合わねばならない。そのように考えてみると、意思決定やそこに至るまでの議論というものは、本来的に極めてプライベートな行為である。

 

僕は、他人様のこの過程に関与させてもらえることを本当に貴いことだと思っているし、それを生業とできるアドバイザリー業は極めて誇り高い職業だと思っている。そして、それゆえに、アドバイザリー業に従事する人間は、この過程に関与させてもらうに相応しい人間であらねばならないとも思っている。アドバイザリー業の行動規範はここから出発する。

 

  • 自分はそこに立ち会う価値ある人間だと信じてそれに見合う努力をすること
  • クライアント本人に説明できない行いをしないこと

 

この二つが僕を律している。個々のスキルは枝葉末節に過ぎず、所詮は後からついてくるものだ。