puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

敬意を持つ

問題解決を生業とする人間に求められる資質のひとつに、悪意や怠惰を前提しないことがあると思っている。これは、相手がこれまで歩んできた道程に敬意を持つこととも言い換えることができる。

この「敬意」が欠如してると、他者がその人生のなかで価値ある洞察に至っているだろうという発想が出てこなくなる。すると、知見をおすそ分けしてもらったり、仲間になってもらったり、自分一人では解決することができない大きな問題を解決するのが難しくなる。


企画系・管理系の方と一緒に仕事していて、このあたりのマインドセットというかメンタルモデルというかなんとも名状し難いものがパフォーマンスを左右しているように見えるシーンは結構多い。人間関係が長くなり固定的になると、期待が裏切られる機会も増えると思うので、已む無いことではあるが。


本当に悪意がないのか怠惰ではないのかはさておき、そのように信じ、行動を律する価値はあるように思う。上記のような構造とその実利的な効用を認識してから、無能で説明できることを悪意のせいにはしないようにしており、また、大半の無能は構造的要因によるもので適切に介入すれば解消可能だと信じるようにしてきたが、お蔭で、特に意識せずとも深掘り・傾聴ができ、他の人が考え挑戦してくれた結果を引き出すことができている。冒頭では資質と書いたが、そう言った意味では、規律のようなものと捉えるのが適切かもしれない。


ただし、「他ならぬ自分がこの問題を解決するのだ」という自負や「この考えこそが正しい」といった確信との食い合わせはいまいち良くないというか、それなりに丁寧にメンテしないと共存させるのが難しい。共存が難しいからこそ、それに成功している人は稀少であり価値があるのだろうけれど。