puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

「上司」を無視する

若干テクニカルな話。

仕事を進めていくうえで、「上司」を適切に無視することは大事なスキルだと思っている。

 

プロフェッショナルファームには上司-部下という関係性は本来存在しないので、ここでは「」にしているが、現実には営利企業として機能するために収益責任を負う人間とそうでない人間とがおり、加えて、時間が有限であるため、上司-部下の関係やそれに基づく指示を完全になくすことはできない。そしてそれらは、かなり意識的に排除しようとしないと、怠惰や慢心につけ込んで知らず知らずのうちに本来の領分からはみ出してくる。単なる「見解」である筈のものまで、いつの間にか「指示」にすげ替えられてしまう。

 

僕自身は「方向性や水準については耳を傾けるべきだが、それ以外は(相対的にたいして考えずにモノを言っているので)無視しても良い」という方針を持っており、実際、コンテンツに対する見解も、上記を除き、80~90%くらいは取り入れていない。

 

以前、ジュニアとシニアと3人で議論し、直後に内容の取りまとめをジュニアに依頼したところ、シニアの発言の枝葉末節を盛り込もうとして支離滅裂になった資料が出て来たことがあった。見解を指示と捉えてしまったからだと理解している。「十分に時間を投下したテーマにも関わらず理解出来ないことをシニアが言っている場合、バグってるのはあなたではなくそいつの方だから無視して良い」と伝えた。

 

結局、「上司」と呼ばれる人間もクライアントの問題意識や期待値に関する情報をより多く有していたり論証の型についての知見に長けていたりするに過ぎない。基礎的な能力に差がないのであれば、投下時間で勝っている領域については自分の方が確実に良い答えが出せる。裏を返すと、自分がどの領域でチームの他のメンバーよりも長けているのかが明確になっていないと、見誤って価値を毀損する。

 

ただし、情報加工の一連のプロセスの中でどの工程を手掛けるべきか理解するという話だとすると、プロセスの全体像についてのイメージが出来上がってないうちは、正しく実行するのは難しいかもしれない。