puttinpuddinのブログ

コンサルタント見習いの仕掛かり作業

クライアントを選ぶ

professionalたるもの、クライアントに全力でserveするのは当然のことだが、誰をクライアントにするかは真剣に選ばなければならない。 受注型ビジネスだからと言って受け身になって然るべきというのは誤った論理展開であり、なんらかの卓越を提供したいので…

折れないために

雑感。周囲に心身の不調を訴える人が多くなってきたことから、何かの参考になればと考えて。 「自分」というものは極めて流動的であやふやで、環境の前では脆く頼りない。自己を構成する肉体や精神は常に外部からの刺激に晒され変化している。細胞は入れ替わ…

「師曰くシリーズ」について

このブログでは日々の仕事を通じて得た学びを記している。が、知覚にも洞察にも特段長けておらず、加えて怠惰な性格である僕は、自ら主体的に学びに至ることが極めて少ない。周囲の人々の言動に驚き、その背景にある思想に触れて感動し、後手後手にモノを考…

均衡状態と機会

ファクトを見るときには、「他にどんな条件が揃ったらGood newsになるか」と問うようにしている。新規事業に限らず、凡ゆる改革を考えるにあたって心掛けるべきだと思っている。 現状は一種の均衡状態であり、それなりに頑強にできている。この均衡はメカニ…

価値の見える化

「価値の見える化」は信頼、則ち、次の活動の原資を獲得するための取り組みである。 これ自体は価値を生み出していないため、本音を言えば、極小化してしまいたいが、価値を生み出したことが正しく認識され、次の活動の原資である信頼を獲得するためには必要…

インタビューガイドの作り方

突如ハウツーを投稿するシリーズ。いつだったか、チームメンバー向けに書いたものを転記。 ジュニアの頃は仮説検証作業を割り振られやすい訳だが、「作業」と呼ばれるものもそれなりの抽象度と非定型性を持っているため、習熟にはそれなりの時間と関心を要す…

正しく設定された大きな問題

正しく設定された大きな問題の解決には、より高い水準の技術と覚悟を備え、より善良な意思を持った人が集まる。 当然、自分自身もその場に相応しい人である必要があり、少なからず成長を求められる訳だが、逆に、成長を続けていれば、より信頼できる人とより…

とりわけ私的なメモ

特段、一般的な示唆などはないが、書き留めておきたかったので。 昨日、ある優秀なジュニアがチームを離れた。彼女は新卒で入社してすぐに僕のチームにアサインされてきた。アサイン初日の朝に二日酔いでオフィスで戻した破天荒人材だったが、そこから一年半…

シニアへのフィードバック

経営コンサルティングの仕事において、ジュニアからシニアへのフィードバックはプロジェクトの成功と個人の成長にとって重要な活動であり、広く実施が促されるべきだと思っている。 まず、テーラーメイドで個別解を作りこむという仕事の性質上、すべての検討…

意見を述べる

昔一緒に働いたマネージャーから「クライアントに考えを伝えるときには「〜と思います」ではなく「〜と考えられます」と言え。」と指導された。曰く、コンサルタントは事実と論理によって紡がれた提案を伝える職業なのだから、と。 この考え方は基本的には正…

成長と仲間づくり

僕はチームに成長を提供している。少なくとも、それを促す環境条件を提供していると自負している。 しかしながら、成長というのは、極めて利己的な動機である。利己的な動機のみを共有している集団では、いつか機会主義的な行動が生じる。「機会主義的な行動…

稀少な資源

抽象論且つ暴論だが、知的生産の成果を最大化するには、考える覚悟と技術を持った人間に潤沢な時間を与えることが一番効くと思っている。 しかし、不思議なもので、何かやろうという話になると、覚悟も技術もない人間を頭数だけ集めて覚悟と技術のある人間の…

価値の正当な主張

師曰く、 "自分の価値を低く見せるように振る舞ってはいけません。高い価値があると主張し続け、実際にそれに見合う価値を出し続けなさい。 自分の価値を徒に広範に主張してはいけません。出来ないことや知らないことは素直に認め、自分がどこで価値を出すか…

優秀なジュニアたち

ここ数年、良い仕事をするジュニアとチームアップする機会に恵まれている。彼ら/彼女らは安定して良い仕事をするのだが、そういう人は明確な世界観/人生観や価値基準を持っている場合が多く、話していてとても勉強になる。 あるとき「質の高い仕事をする為に…

時間の安売り

僕の労働時間は、長時間労働の悪名高いこの業界の中でも恐らくだいぶ長い方なのだが、一方で、数年前から「自分の時間を安売りしない」ことを大事にしている。 長時間労働の実態を知っている同僚たちからはギャグだと思われている節があるが、長時間労働と「…

チーム運営方針(β版)

「チーム運営方針(β版)」を作成したので公開してみる。 コンサルタントとしてもマネージャーとしても未熟な身であるため、今後、加筆修正は随時行うだろうし、何かの拍子に根本から書き直す可能性もそれなりに高い。ただ、現時点で自分が依拠している考え…

ロマンチストが過ぎる話

COVID-19による自粛が本格化した頃、10年来の友人たちとZoomでお茶をした。「10年来の友人たち」と言っても、やり取りをするのは年に数回。それもMessengerがほとんどで、最後に会ったのは何年前だか思い出せない。大学時代、それなりの時間と学生時代特有の…

team problem solving (feasibility編)

入社して3年ほど経った頃、恩師から"team problem solving"という概念を教わった。一般的な用語なのか定かではないが、「チームのすべてのメンバーでissueを特定すること」と彼は定義していた。 issueはimpactとfeasibilityで決まるが、feasibilityには、検…

untrainedな人

二十歳前後という人生の序盤のある断面で閾値に満たない性能の凹凸を論うのは、自分が強い立場にいるときは気持ち良くてわからないものだが、後から冷静に振り返ると稚拙な行いでしかない。 ある程度の期間適量の関心と技術的な支援が提供され、当人が志さえ…

思考を誰が担うべきか

思考を同僚に委ねる人が多い。上司であったり、部下であったり。作業は任せても良いが、思考は自分自身が一番深くあるべきである。 そして、ここで言う「一番」は複数人現れるべきである。複数の「一番」が平場に並べられ、そこに明確な優劣がつくことに意味…

自分の能力を知る

自分の知覚を信じてないから変数の絞り込みができないし、自分の知能を信じてないから一度出した結論を疑って実行段階で脇道に逸れる。 「真っ当に感じ、考えるとこうだ」を途方もなく積み重ねていくことでしか先には進めないが、自分の知覚や知能を疑い始め…

「できている」と伝える

若干テクニカルな話。 「できている」と伝えることは、チームの生産性を押し上げる効果が大きい一方で実践が難しい。従ってマネージャーのパフォーマンスを左右する主要因の一つだと思っている。 経営コンサルティングの仕事は、クライアントの抱える問いを…

軽薄な言葉

師曰く、 ”プロフェッショナルファームでは優秀だなんだと人を評価するのが当然のようになっているが、本来それは異常なことだ。 私も優秀だと言われてきたし、はじめはそれも嬉しかったが、殆どの人は短期的/表層的なところしか見ていない。あるときそのこ…

一度解き切る

若干テクニカルな話。 どんな問いも、先ずはクイックに、一度解き切ることが大事だと思っている。 仮説検証のサイクルをより速く多く回すために、解の仮説とその論拠を明確にしなければならないというのも勿論そうだが、もう一つ、不安を抑制するという効果…

未熟であることを認める

少し前の話。 当時の僕のボスが担当していた隣のプロジェクトで、パフォーマンスが低迷してるジュニアがおり、そのジュニアから僕に相談が来た。話を聞いてみると、ボス/PMからの期待が理解できず、何をやるべきかわからない時間が発生しているが、それをボ…

確信と説得

師曰く、 ”泥臭い調査も分厚い資料も、すべては相手を説得するためではなく、自分自身が確信に到るためにこそ必要なのだ。我々が関わるべき相手であれば、確信を持った一言で十分だ。もしそれで足りないとすれば、相手を間違えているか、確信が足りていない…

アドバイザリー業の行動規範

組織という情報処理機構があまりに大きく重層的であるため傍目には曖昧になりがちだが、組織行動の一つ一つには、その裏に誰かの極めて個人的な探索・逡巡とその先に辿り着いた確信や覚悟がある。誰が意思決定したわけでもない組織行動も数多観測されるため…

良い仕事と孤独感

新卒の同僚から非常に良い仕事が上がってきた。良い仕事を見ると心が洗われる。 そこには受け取る側としての自分が覚えた感動だけではなく、提供する側としての自分が感じた安堵がある。自分が一人きりではなかったとわかる。その喜びは、言葉では言い表せな…